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■お勧めの本、おすすめの小説、人生を変えた本(1)
■「竜馬がゆく シリーズ」司馬 遼太郎 (著) 文春文庫

「薩長連合、大政奉還、あれァ、ぜんぶ竜馬一人がやったことさ」と、勝海舟はいった。

坂本竜馬は幕末維新史上の奇蹟といわれる。

彼は土佐の郷士の次男坊にすぎず、しかも浪人の身でありながらこの大動乱期に卓抜した仕事をなしえた。

竜馬の劇的な生涯を中心に、同じ時代をひたむきに生きた若者たちを描く長篇小説。


今さらなんですが歴史小説です。

僕は歴史小説は苦手なのですが、これだけは読みきりました。

この時代にあっても、また、あの時代にあっても、そして、いつの時代にあっても、歴史は必要な時に必要な人物を送り出してくれます。

それとも、必要な人物が、自分に合った歴史を作るのか?

テレビ番組の福山を思い出しながらでもいいですす、自分ならではの場面を頭に描くながらでも結構。


読み出しさえすれば、あっという間の全八巻。

ページ数、巻数に気圧されることなく、是非読んでいただきたい。

血が熱くなってきます。



『竜馬がゆく』がこれだけ支持されているのは、坂本龍馬という不世出の英雄が主人公だから、だけではない。

司馬遼太郎の紡ぐ物語が圧倒的におもしろいからだということ。


「坂本のよばあったれ」と後ろ指を指されていた少年。

けれどすでにその頃から後の怪物の片鱗を見せていた、というくだりの巧妙さ。

幕末も今も変わらない、若者が持つ眩ゆいばかりの青春の輝き、恋の巧みな表現。

綺羅星のごとく登場する実在の英雄達の存在感。

フィクションの登場人物の描き方の抜群のうまさ。

かつ、時折挟み込まれる著者の取材エピソードによって、人物や歴史事象が「実在」だった事を効果的に読者に印象づかせている。


主人公の魅力や圧倒的な存在感が巧く描かれているから、彼が担った薩長同盟や大政奉還という驚天動地の荒技がリアルな質感を伴っている。

長い長い物語の終わり、三岡八郎を世に送り出すという最後の仕事をする為に越前に向かう竜馬の歩みを「街道は晴れていた。竜馬がゆく」と表現するくだりは、涙なしには読めない。


司馬遼太郎の「竜馬がゆく」の神髄は、その物語の圧倒的な面白さにある。

本書を読めば、きっと、自分の人生を考えると思います。


竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫) / 楽天
「博士の愛した数式」小川洋子(著)


ひとことで言えば、美しい物語だ。

本屋大賞をとったのもうなずける(2004年)。



1990年の芥川賞受賞以来、1作ごとに確実に、その独自の世界観を築き上げてきた小川洋子。

事故で記憶力を失った老数学者と、彼の世話をすることとなった母子とのふれあいを描いた本書は、そのひとつの到達点ともいえる作品である。

現実との接点があいまいで、幻想的な登場人物を配す作風はそのままであるが、これまで著者の作品に潜んでいた漠然とした恐怖や不安の影は、本書には、いっさい見当たらない。

あるのは、ただまっすぐなまでの、人生に対する悦びである。


家政婦として働く「私」は、ある春の日、年老いた元大学教師の家に派遣される。

彼は優秀な数学者であったが、17年前に交通事故に遭い、それ以来、80分しか記憶を維持することができなくなったという。

数字にしか興味を示さない彼とのコミュニケーションは、困難をきわめるものだった。



しかし「私」の10歳になる息子との出会いをきっかけに、そのぎこちない関係に変化が訪れる。

彼は、息子を笑顔で抱きしめると「ルート」と名づけ、「私」たちもいつしか彼を「博士」と呼ぶようになる。


80分間に限定された記憶、ページのあちこちに織りこまれた数式、そして江夏豊と野球カード。

物語を構成するのは、ともすれば、その奇抜さばかりに目を奪われがちな要素が多い。

しかし、著者の巧みな筆力は、そこから、他者へのいたわりや愛情の尊さ、すばらしさを見事に歌いあげる。

博士とルートが抱き合うラストシーンにあふれるのは、人間の存在そのものにそそがれる、まばゆいばかりの祝福の光だ。(涙が自然にあふれるはず。)


3人のかけがえのない交わりは、一方で、あまりにもはかない。

それだけに、博士の胸で揺れる野球カードのきらめきが、いつまでも、いつまでも心をとらえて離さない



読み終えた時に、ゆっくりと暖かい気持ちになれる。

少し前向きな気持ちで明日からやっていこうと思う、それが小説のもつ絶対の力。

この本にはそれがあふれている。

(数学のもつ美しさもホンノちょっとですが、味わえます。)


博士の愛した数式 (新潮文庫) / ●楽天

  
 「放浪の天才数学者エルデシュ」 ポール ホフマン (著), 平石 律子 (翻訳)


この宇宙一の奇人にして天才のエルデシュは「博士の愛した数式」小川洋子(著)の主人公のモデルと思われる。

こんな人が実在していたなんて、本当に信じられない。

今だに、僕は「これって、巧妙に作られたフィクションじゃないの?」と思ってしまうほどだ。

しかし、奇跡的に、実話である。



どこにも所属せず、定住地を持たず、古びたブリーフケースには替えの下着とノートのみ。

世界中を放浪しながら、一日十九時間、数学の問題を解きつづけたという伝説の数学者、ポール・エルデシュ。


四大陸を飛びまわり、ある日突然、戸口に現れて言う。

「君の頭は営業中かね?」

あなたならどう答える?

「いいえ、休業中」です?とか・・・・・・。


八十三歳で死ぬまでに、発表した論文は1500、有史以来どんな数学者よりもたくさんの問題を解き、しかもそのどれもが重要なものであったという。

悩める奇才ゲーデルを励まし、アインシュタインを感服させたエルデシュ唯一のライバルは、美しい証明を独り占めしている「神さま」だけだった。


子供とコーヒーと、何よりも数学をひたすら愛し、史上最高の数学者にして宇宙一の奇人。

数学の世界をかくも面白くした天才のたぐいまれなる人生を描いた本。

こんなふうに生きてみたいよね?


実に!面白い本である。

読み始めたら止められなくて最後まで一気に読んでしまった。

その「面白さ」にはいろいろな要素があって,笑いがあり,驚きがあり,ドキュメンタリーな迫力があり,知的な収穫も大きいが,最も感動的なのは,常識はずれの天才をとりまく支援者の優しい心と,エルデシュ自身の純粋で真摯な生き方である。


金銭に執着せず,持っている金は困っている人にあげてしまい,研究の業績に対して贈られた高額の賞金も奨学基金に寄付してしまう。

論文の発想を惜しみなく若い研究者に分け与え,数多くの後輩を育てた。

日本語版の書名の通り,エルデシュは類いまれな天才であり,自宅を持たずに友人の家を泊まり歩く放浪の数学者であった。

また奇行の多いことでも有名で,表紙にはコミカルなイラストが掲げられ「宇宙一おかしな男」というキャッチコピーが添えられている。


しかし,本書は変人を追いかけたゴシップ集ではない。

確かに想像を絶する「常識はずれ」のエピソードがたくさん紹介されているが,それだけが本書の目的ではない。

原著の書名は"The man who loved only numbers"(数学だけを愛した男)であって,1日に19時間も数学の研究に打ちこみ,83歳で亡くなる瞬間まで研究を続け,1475本もの論文を書いた学究エルデシュと数学のかかわりあいを詳しく紹介している。


著者はサイエンティフィックアメリカンの編集者などを歴任したジャーナリストで,エルデシュの魅力にとりつかれ,十数年にわたって取材を続けた成果が本書である。

さすが一流のジャーナリストによって書かれただけあって読みやすい。

数論やグラフ理論の面白さを,一般の読者にも理解できる言葉で巧みに解説している。


取り上げられている話題は広く,エルデシュが直接手がけたグラフ理論や数論のほか,数学基礎論,暗号理論,非ユークリッド幾何学など周辺の話題にもかなりのページを割いている。

また,ラマヌジャン,ハーディ,ゲーデル,カントール,グラハム,レーマー,ベルマン,ノイマン,クラインなど,同時代の数学者もたくさん登場する。

エルデシュは1913年にハンガリーのブダペストに生まれた。

そのハンガリーの歴史や第1次世界大戦,第2次世界大戦を経て今日までの社会的背景(特にユダヤ人問題)の記述も興味深い。


昔,数学者岡潔の生涯を描いた「好人好日」という映画があったが,そこでは数学的内容についてまったく触れていなかった。

それに対し本書では,エルデシュが研究した数学の問題をかなり詳しく紹介しており,数学の面白さが生き生きと描かれている。

素数や図形の好きな数学愛好家に最適の読み物。

訳文はこなれた日本語で読みやすく数学的にも正確である。


私たちが住んでいる「この世の中」は、どうして、これほど美しい数学が成り立つ世界なのだろう?

そして、どうして、こうも純粋に生きていける人がいるのだろう?

あこがれてしまう。


放浪の天才数学者エルデシュ / ●楽天

おすすめの本★村上春樹と立花隆の本★回答はあっても、解答はありません。

最近、読んでいる本が村上春樹インタビュー集(1997-2009)だ。
  ↓
「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」


夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです(アマゾン) / ●楽天


この本が面白いのは、もちろん、村上春樹がどんなことを考えて小説を書いているのかが分かる点なのだが(ハルキストにはたまらない)、実はもっと面白いことがある。

それは、インタビューアーの素晴らしさだ。

インタビューアーが優秀だと、本人も気づいていない自我意識を洗い出してくれる。

この本の中でも村上春樹はインタビューアーの巧みな質問により、インタビューを受けながら、新たな自分の視点に気づいていくのだ。

「そういう質問をされたことが無いので、今まで、考えてもみなかったけれど・・・・・云々。」


ちなみ、オールマイティに素晴らしい質問をする日本一のインタビューアーは立花隆だと僕は思っている。

彼がインタビューで出来ている本で特に素晴らしいのが、次の2冊だ。

「宇宙からの帰還」

宇宙からの帰還 (中公文庫)(アマゾン)  /  ●楽天


「精神と物質」


精神と物質―分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか (文春文庫)(アマゾン) / ●楽天


上の2冊のうち「宇宙からの帰還」はアメリカの「アポロ計画」で月にたった宇宙飛行士に対するインタビューで、宇宙飛行士から「よこぞ、そのことを聞いてくれた!」と感謝されている。

もう一方の「精神と物質」は利根川博士(ノーベル生理医学賞受賞者)に対するインタビューだ。

そもそも、インタビューアーはインタビューを受ける人よりも、むしろ、その人を良く知っている。

立花隆がカバーしている範囲は尋常ならざる範囲をカバーしている。(本人は東大の文系を出ているのだが、むしろ科学に対する研究がすばらしい。


本人もしらない意識を洗い出すインタービューアーに脱帽です。

▼おすすめの本(その2)を見る
 

 
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